スッポン通信 vol.10

スッポン通信 vol.10

モンティ・パイソンを見るなら日本語版、その中でも広川太一郎が最高です。
数々のすばらしいコントがあるのですが、どれかひとつというならば「ナッジナッジ」というコントがおすすめです。
(なぜかYouTubeにありました)
「ナッジナッジ」というのは〝肘でつつく〟という意味で、広川太一郎がこのあとよく使う「ちょんちょん」の原点ではないでしょうか。
このコント、実は字幕で見てもあまり面白くないのです。ひとえにエリック・アイドルの演技+広川太一郎の日本語セリフによるところが大きいのです。
また広川太一郎といえば『ローマの休日』が有名です。フジテレビ’72年版とテレビ朝日版の2バージョンに渡って、美容師のマリオ・デラーニを演じていますが、アドリブで〝オネエキャラ〟にアレンジしています。
後で本人が語っているのですが、役者がうつむいた時、また後ろを向いた時に、アドリブを多く発するのがコツだそうです。口元が見えない短い間に効果的にアドリブを発する技は、まさに神業です。
ただ、コメディ作品ではアドリブが多いのですが、2枚目を演じる時は(007のロジャー・ムーアなど)ほとんどアドリブを使っているようには見えません。やはり、元の役をどれだけ盛り上げるか、あくまで+αに徹していたそうです。

広川太一郎さんは2008年に68歳で死去されました

最後の仕事は『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』DVD版のナレーション収録だったようです。