メリケンじいさんの昔話《第一回 酔族館の爪痕①》


酔族館は『メタセコイアの長い夜』によって旗揚げし、産声を上げたかのように認識されている方もいますが、その前後に稽古場公演を3回行っております。
世に言う〝酔族館30人劇場〟です。30人は劇団員の数ではなく、観客の数(キャパシティ)です。
当時の稽古場は大阪市西区九条にあり、細っそい細っそいビルの5階、細っそい細っそい階段を上り詰めた先にありました。
広さはおおよそ15畳ほど。稽古場公演という事でソコに何とか30人のお客さんを入れたい。
舞台が2畳。舞台の反対側にお客さんの入場口が2畳ほどで残り11畳。
舞台袖は作れず、かといって役者の入退場の花道を作れば確実に30人は収容できない。
かくして〝劇団酔族館30人劇場「世界最小の劇場を造ろう」プロジェクト〟が動き始めた。
〈つづく〉


