スッポン通信 vol.3

スッポン通信 vol.3

年齢を重なるとだんだん扁固(ヘンコ)になり、人付き合いも悪くなる。
あんなに行っていた飲み会もだんだん億劫になり、ほとんど行かなくなった。
楽しかった劇団の飲み会ですら、人数が多いとついつい腰が引けてしまう。
だからといって飲まなくなったかというとそうでもなく一人で飲んでいる。
ここ『都スタンド』
人気も少なく大将もうるさくないので、一人でビールをちびちび飲んで本を読むには快適な場所だ。
今読んでいるのは、山本義隆の『磁力と重力の発見 ルネサンス編』
ニコラウス・クザーヌが初めて磁力を定量化しているところだ。
こんなものを読んでも何の役にも立たない。仕事にも演劇にも家庭円満にもだ。でもこの役に立たない文章と知識がとても心地よい。
しかしこんな事ではいけない。

演劇界は飲み会によって作られるのだ。一人で飲んで中世の磁力の発見を喜んでいる場合ではない。巷の噂では酔っ払いの演劇論によって小劇場の9割は構成されているとの事だ。
大人数の飲み会は苦手だから役者さんやスタッフをここに呼ぼうそして、演劇人らしく酔っ払って芝居を語ろう。

そうだ!

私は皆に開かれた作/演出になるのだ!
皆『都スタンド』に集合だ!
でも気が弱いので来られる方は以下の事に気をつけるように。

・あんまし作品や演出方針を非難しないでください
・あんまし難しい演劇論はしないでください
・あんまし他劇団の演出や他の戯曲を褒めないでください
・できれば貧乏な演出さんにビールを奢ってあげてください
・無理にでもスッポン太郎さんを褒めてあげてください

なんか駄目なような気もする。